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みなさんこんにちは、ハル次郎です。今回は ONE OK ROCK が2015年にリリースしたアルバム『35xxxv』から、楽曲「Memories」を紹介します。
タイトルは《思い出、記憶》という意味です。しかし、ここでは《過去のもの、過去の存在》と訳すと曲のメッセージがよくわかります。
本記事にはこの「Memories」の歌詞についての考察をまとめました。ぜひ最後まで読んでみてください。
夜空の星を罵る曲
この「Memories」は ONE OK ROCK のボーカル・Taka が、夜空の星を非難している曲です。夜空の星に対して「お前は光っているけど過去の存在だ」と罵っています。
夜空の星が過去の存在なのは、恒星の光が地球まで届くのに数百~数万年かかるからでしょう。地球から見上げる星々は、私たちが生まれる前の過去の姿です。その星は実際、もう燃え尽きて消えてしまってるかもしれません。
見上げた夜空のスクリーンには
ONE OK ROCK「Memories」(作詞:Taka、Jordan Schmidt) より
数え切れぬほどの光が
今見ているその輝きはもう
僕が生まれる遥か前 昔の
過去の姿それなのに今日も
ヤツは僕に光ってみせる
先輩ミュージシャンに「消え失せろ」と言い放つ
この曲で夜空の星は《ワンオクの先輩ミュージシャン》を指します。上記で述べたように「Memories」は星々を非難した曲です。つまり先輩ミュージシャン達を非難した曲ということになります!
これは雑誌・ROCKIN’ON JAPAN のインタビューにて、ボーカル・Takaが以下のように発言していることから間違いないでしょう。
これは、ある種中指を立ててるような曲なんですけど、まあそのままですかねえ。その星というものと、たぶん先輩のミュージシャンをなんとなくリンクさせて書いてるんですけど。
ROCKIN’ON JAPAN 2015年3月号 P56 より
先輩ミュージシャンに向かって「お前は、星のように過去の輝きしかなく実際は燃え尽きた存在だから、とっとと世代交代しろ!」と言い放っています。危険で挑戦的な曲ですよね(笑)
特にサビは過激です。Fワードを使い、先輩ミュージシャン達に向かって「消え失せろ」とはっきり言っています⇣
You’re burning out(お前はもう燃え尽きてしまっている)
ONE OK ROCK「Memories」(作詞:Taka、Jordan Schmidt)より
移り変わり行く世代交代
後追いはしない新時代
Memory memory now(今や過去の存在だ)
Go on and fuck yourself(消え失せろ)
ロックバンドは夜空の星ではなく、流れ星であるべき
ボーカル・Takaは、なぜ先輩バンドに向かって「消え失せろ」と言い放つのでしょうか?それは彼のロックバンドに対する考え方が大きく影響しているためです。Takaはドキュメンタリー番組で以下のように語っています。
こういうバンドっていつの時代もそうだけど、まあ流れ星みたいなものなんだよ、本当は。絶対に一生は光ってられないから、だからこそ一瞬一瞬を大切に生きなきゃいけないし、そこに命をかけなきゃいけないんだよね。
ONE OK ROCK 2017 “Ambitions” JAPAN TOUR DOCUMENTARY より
で、やっぱり一回光ったバンドって、ずっと、いなくなっても存在してても、光り続けることはできるけど、今光ってる、その今の光をね、俺は応援してくれる人たちに見せたい。
しっかりと真実を伝えていくということが、ロックバンドだからこそできることだし、俺ら政治家じゃないし、芸能人でもないし、タレントでもないからロックバンドだから。
だからそろそろそういうことを伝えるバンドが出てきてもいいんじゃないかな。
Takaの考え方がよく分かる発言ですね。彼は過去の光ではなく、今輝いている光で人々を魅了するバンドでいたいようです。
この彼の思想を発散させた曲が「Memories」だと考えられます。今も活躍する先輩バンドのように、過去の栄光にすがり続けるバンドには決してなりたくないのでしょう。
Don’t wanna be a has-been(時代遅れになりたくない)
ONE OK ROCK「Memories」(作詞:Taka、Jordan Schmidt)より
Never gonna happen(そんなこと絶対あり得ない)
Not like you(お前みたいにならない)