みなさんこんにちは、ハル次郎です。 SEKAI NO OWARI といえば世間的には明るくてポップな楽曲が多いイメージです。ですがその反動のためか実は暗い曲も結構あります。この記事ではセカオワのダークな曲をまとめてみました。
白昼の夢
1stアルバムに収録された楽曲で、曲名は「はくちゅうのゆめ」と読みます。ボーカル・Fukase は10代でパニック障害などの影響で薬を服用していた時期がありました。その副作用で睡眠バランスが崩れ、昼間に寝て夕方に起きる生活を送っていたようです。そのような彼の「昼に夢をみる日常」と非現実的な空想を指す語彙「白昼夢」が掛け合わされた世界観が展開されています。
世界平和
世の中で使われている「世界平和」というワードや考え方についての疑問を歌った曲。平和というのは誰かの正義という概念の上に成り立つ考え方で、その正義はときに他者を押しつぶしているのではないか?特に印象的なのは「神様、人類を滅ぼして下さい」「神様、私たちの世界に平和を」と同時に囁かれる箇所。
生物学的幻想曲
僕ら人間は普段「喜んで、怒って、楽しんで、悲しんで」生きています。自分の人生に何かしら意味があるようにも思えますが、それも「子孫を残し繁殖する」という命のサイクルの一部でしかない。そう考えるとこの愛しい人生には何の意味もないのはないのか?そう問いかける楽曲です。ライブではサビの「ぐるぐる」にあわせて観客がタオルをまわすのが恒例となっています。
illusion
僕らはテレビなどを見て世界の戦争や環境問題について知っている気になっています。しかし、それは加工・調整・再現・処理された世界で、それは事実のすべてとは限らない。そう歌われた楽曲です。監視社会で自分の色を見つけるというテーマのライブ「The Colors」ではアコースティック版で披露され、巨大タコのいる水槽の中でFukaseが歌うような演出がされています。
Love the warz
セカオワ初期の隠れ名曲でファンに人気のダークソング。現代は苦しく夢も希望もありはしないので平和ではない。戦争があるからこそ、その対極となる平和が生まれると考え「僕らの世代が戦争を起こします」と歌われる過激な歌詞です。しかしそれは愛に満ちた戦争であり、その名前が「Love the warz」です。なお上記の動画は同曲の再アレンジされたバージョンとなります。
Death Disco
2013年に配信リリース、2015年のアルバム『Tree』に収録。力強いビートを軸に同じピアノのフレーズが繰り返される曲です。ラテン調のギターとサビのコーラスもダークな雰囲気を醸し出しています。 私たちが何気なく信じている価値観に対して「なんで?」と疑問を投げかけてくる歌詞が特徴的。殺し、科学とファンタジー、正義と悪などセカオワらしい哲学的な言葉が並びます。
銀河街の悪夢
ボーカルのFukaseが引きこもりだった頃の経験をベースに作られた楽曲で、同世代と差がついていく焦りや絶望について歌われています。薬や自殺(ふみきり音)を連想させる内容でFukaseの10代がいかに暗黒時代だったかがわかりますよね。「明日起きたらまた何か始めてみよう」という自分の考えを最後には否定し「僕らを動かせるのは今日だけなのさ」の自覚する感動的な曲です。最後には「強くなれ僕の同志よ」と締められており、多くのファンに圧倒的な指示を受けている楽曲です。
ANTI-HERO
※曲名の読み方はアンタイ・ヒーロー
映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」の主題歌で、全編英語詞の楽曲。重厚なリズムに、ボーカルのFukaseがラップで詞をのせています。悪のヒーローが自分なりの美学を歌った歌詞。俺は正義なんか大嫌いだ や 国が定めた法律はゴミくずさ といった過激でダークな主張がされています。しかしその一方、そばにいる人を助けるためならなんだってする という優しさも持ち合わせている人間味あるアンチヒーローです。
スターゲイザー
この世界のあらゆる景色が箇条書きのように展開されており、そのカオス感も「普通の日常」であると歌われます。MVは平手友梨奈が本物の月をバックに踊るところを撮影したいというFukaseのこだわりから、撮影にトータル一年近くかかった超大作。セカオワの海外向けプロジェクト「End of the World」では英語版がリリースされています。
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LOVE SONG
2019年発売のアルバム「Eye」の収録曲。子どもたちに向けて厳しくも優しいメッセージを歌った曲です。大人に「矛盾ばかり」「嘘ばかり」と不満を言う子どもに対して、「大きなモノに噛み付いて安全圏に逃げ込む君みたいな子どもが腐った大人になる」と辛辣な主張をしています。しかし同時に「弱いまんま強くなれ」「君の力で立ち上がれ」と前向きな言葉をかけていますね。
Re:set
セカオワの中でも特にそのダーク度が高い曲。「君はもういない」と部屋でひとりもがく様子が歌われており、サビではFukaseがひたすらシャウトします。カティーサークやスタビースクイードなど固有名詞が多く登場するのが歌詞の特徴で、楽曲の暗く過激な世界観がつくられています。
Witch
毎日SNSで起こる匿名による個人への袋叩き。そんな現代の「魔女」狩りについて歌われています。2013~2015年ころTwitterなどで信じられないほど叩かれていた彼らだからこそ、作ることができた楽曲かもしれません。最終的にこの現代のカオスな状況に対処するすることができなかったのか「もうぐちゃぐちゃだよ頭の中 頭空っぽで踊ろうよ」と歌われています。
Blue Flower
バッハの「チェンバロ協奏曲 第1番」が大胆にサンプリング(引用)され、そこに重厚なビートとFukaseの歌詞が重なっています。まわりと違うポジティブではない個性を否定してくることに対する葛藤や悲しみが歌われた曲です。赤い花畑に咲く一輪の「青い花」に対して周りの赤いバラがやかましくギャーギャー言ってきます。「どちらかというと僕は被害者 生まれ変わったら愛されたいな」という歌詞が印象的です。
Food
ゴリゴリの電子サウンドで構成された楽曲。食について歌われ、2番ではそれをFukaseが「食べ頃も過ぎて旬も過ぎたかい?美味しいまんまでいれてるのかな?」と自身に置き換えいます。MVでは動物の肉を連想させるピンク色のキューブを黙々と食べる内容。
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Monsoon Night
長年ライブで披露されるもなかなか音源化しなかった全編英語詞の楽曲。季節風が吹き荒れる嵐の夜に、踊り狂う感情が歌われた楽曲です。感想にはマイケル・ジャクソン「スリラー」を思わせるホラーテイストのナレーションが入ります。ライブではサビの「high!」で観客も声を上げるのが定番になっています。ダンサブルな一曲。
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Like a scent
セカオワ初の本格的な日本語ラップ曲で、序盤から歌詞が相当過激なため、音楽サブスクでは未成年にとって不適切であることを指す「Explicit」マークが付いています。歌詞はFukaseが集団リンチにあったことや閉鎖病棟に閉じ込められた経験について。サビからは彼の自分と同じような苦しい経験をした人が見上げるスターになりたいという想いがわかります。
エンドロール
「僕たちの住んでいた家が壊される夢をみた」というファンにとっては衝撃的な歌詞から始まる楽曲。セカオワのメンバーは長年共同生活を続けていたことで有名です。ですがこの曲がリリースされる頃、結婚・出産などにより4人は離れ離れになっていきます。またFukaseはバンドを続けるモチベーションが保てないと繰り返しインタビューで述べており、解散寸前であったことを明かしています。そのような背景を考えながらこの曲を聴くと、とても切ない気持ちになります。
Habit
セカオワを代表するモンスターヒット曲。何事も単純化し分類するのが癖になった人々へ、人間はもっと曖昧で繊細で不明瞭な存在だと主張しています。自分で自分を分類し、その垣根を壊さないことを続けていると何にも挑戦できない人間になってしまうよと警鐘を鳴らした歌詞です。MVでメンバーが披露しているダンスが、TikTokを中心に世間を席巻し、2022年のレコード大賞受賞、NHK紅白歌合戦への出場に繋がりました。
Eve
男女の大人なラブソング。女性は「サングラスとハットをつけたまま」であることや「好きだけど想ってはいけない」という歌詞からふたりは不倫関係であることも考えられます。また曲名が旧約聖書に出てくる史上初の女性イブと名前が同じです。彼女の息子ふたりがそれぞれ羊飼いと農耕民になっており、歌詞にラムと野菜が登場することからも宗教的な要素も盛り込まれた楽曲だと思われます。
ダークなアルバムは?
本記事ではセカオワのダークな「曲」をまとめました。ちなみにダークな「アルバム」をひとつあげると、2019年リリースの「Eye」が挙げられます。本記事で灰色のジャカットが並んでましたが、そのアルバムです。アルバム「Lip」はポップな曲を収録するというコンセプトで、それと対になる形で同時リリースされた作品。初回盤には17曲収録のライブDVDが付属しており、単独のライブ映像作品より大幅に安いのでオススメです。