SEKAI NO OWARI が2019年に発売したアルバム「Lip」に『向日葵』という曲があります。ハル次郎はこれを聞いたときとても革新的な曲だと思いました。本記事ではそう思った理由を述べていきます。
革新的だと思ったのはサビの歌詞
ハル次郎が今までにない新しさを感じたのは《サビの歌詞》です。
真夏に咲く向日葵達のよう
みんなが貴方を見てるわ
私もその中の一人なのね
そんなの分かってる
SEKAI NO OWARI「向日葵」より(作詞:Fukasse)
↓再生ボタンでこの曲のサビが聞けます(無料)
この歌の主人公はモテ男を好きになった女の子です。モテ男を「太陽」に例え、彼に憧れる人たちを「向日葵」と表現しています。彼が大好きだけどそれは他の人も同じで、私はその大勢の中のひとりでしかないと悲しんでいます。
なぜサビの歌詞が革新的なのか
ではなぜ ハル次郎 はこの歌詞を革新的だと思ったのか。それは憧れの人ではなく憧れる人たちを「向日葵」と表現したところです。
一般的なラブソングでは《憧れの人》や《憧れの人の性格》を「向日葵」と例えることがほとんどでした。ここではその例を2曲挙げたいと思います。
たとえば 2017年に公開された映画「君の膵臓をたべたい」の主題歌 Mr.Children「himawari」の歌詞を見てみると、ここでは恋をしていた君を「ひまわり」と表現していることが分かります。
暗がりで咲いているひまわり
嵐が去った後の陽だまり
そんな君に僕は恋してた
Mr.Children「himawari」より(作詞:Kazutoshi Sakurai)
2014年に公開された映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌で大ヒットした 秦基博「ひまわりの約束」では 愛する君のまっすぐな優しさ(性格)を「ひまわり」と表現しています。
ひまわりのような まっすぐなその優しさを
温もりを全部
これからは僕も 届けてゆきたい
ここにある幸せに 気づいたから
秦基博「ひまわりの約束」 より(作詞: 秦基博)
このように一般的なラブソングの歌詞で「向日葵」は憧れの人を表している傾向にあります。
それに対してセカオワはそのモテ男を好きな人たちみんなを「向日葵」と表現しました 。
この曲のすごいところは 改めて向日葵の「太陽にカラダを向ける花」という性質に注目して作詞がされているところです。ただ向日葵が美しいから「向日葵=好きな人」とするのではなく、「太陽=好きな人」「向日葵=その人に憧れる人たち」と設定されているのです。
この曲の歌詞は向日葵の特性に改めて注目して書かれています。そのため今までに注目されなかった視点から作られた貴重で革新的な曲なのです。さすが Fukaseさんと言わざるを得ません。
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