ONE OK ROCK の楽曲「Push Back」はイギリスのロックバンド QUEEN を意識して作られています。本記事ではその詳細について述べます。
「Push Back」とは?
「Push Back」は日本のロックバンド ONE OK ROCK(以下、ワンオク)が2019年に発売した楽曲です。彼らの9枚目のアルバム「Eye of the Storm」に収録されています。
それまでのワンオクとはサウンドが大きく異なるスタジアムロック調の曲です。
聞いた人がQUEENと似ているとツイート
「Push Back」のリリース後、多くのファンがこの曲についてQUEENと似ているとという感想を持ったようです。
ハル次郎も気になってワンオクファンのみなさんに初めて聞いたときの感想をツイッターで聞いてみました。するとやはり「QUEENっぽい!」と答えた人が40%以上にも上りました。
そもそもQUEENってどんなバンド?
イギリスで1970年代に圧倒的な人気を誇った国民的ロックバンド、それがQUEEN(読み方:クイーン)です。過去に例を見ない大胆なアレンジや独創的なキャラクターイメージで世界に多くのファンを生み出しました。
2018年には彼らの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディー」が公開され日本でも 「歴代実写洋画ランキング9位」となる大ヒットを記録。ちなみにハル次郎も映画館に二度足を運びました!
「Push Back」のどこがQUEENと似ているのか
では具体的に「Push Back」のどこがQUEENぽいのでしょうか?
似ている点①「手拍子とコーラスワーク」
「Push Back」はQUEENがリリースしていた曲とサウンドが似ています。具体的にいうと手拍子とコーラスワークです。
「Push Back」ではサビに印象的な手拍子があり、これがみなさんご存知のQUEENの名曲「We will rock you」と似ています。 ワンオクはこのQUEENが得意とする観客との一体感を曲に取り込みたかったのかもしれません。
またQUEENの楽曲の特徴に複雑なコーラスワークが挙げられます。メンバーの声が何層にも重なったコーラスによって曲の厚みが増しています↓
「Push Back」の冒頭でもメンバーによる多重コーラスがあります↓
似ている点②「拳を上げるポーズ」
QUEENのボーカルである Freddie Mercury(フレディ・マーキュリー)の特徴的な仕草の1つに拳を上げながら歌うというものがあります。これは非常に有名なポーズで、この腕を上げる彼を模した有名な銅像がスイスにあります。QUEENの象徴的なポーズです。
これをワンオクの Takaは「Push Back」歌唱時に真似しています(以下の動画参照)。彼が他の曲でこのポーズをすることはないので、QUEENを強く意識していることの表れだと考えられます。
似ている点③「歌詞」
「Push Back」はQUEENの代表曲「Bohemian Rhapsody」と冒頭の歌詞が似ています。両曲の歌詞を比べてみます。
まずはワンオクの「Push Back」の歌詞から。
Gun to our heads
They’re trying tell us what to think
ONE OK ROCK「Push Back」(作詞:Taka, David Pramik, Michael Jade, Jamil Kazmi)
続いてはQUEENの「Bohemian Rhapsody」の歌詞。
Mama just killed a man
Put a gun against his head
Pulled my trigger now he’s dead
QUEEN「Bohemian Rhapsody」(作詞:Mercury)
ここで注目すべき点は太字で示した「銃口を頭に向ける」という歌詞です。「Bohemian Rhapsody」の印象的で有名な歌詞を「Push Back」の冒頭に持ってきています。これは「QUEENを意識した曲ですよ」と意思表示しているようにも読み取れます。
実はTakaも認めている
実はこのQUEENとの類似についてワンオクのボーカルTakaもインタビューで認めています。
ちなみに『ボヘミアン・ラプソディ』が公開される前から、僕の中で今回のアルバムのテーマはクイーンだったんで(笑)。「Push Back」はまさにそれを意識した曲です。あのコーラスも、メンバーにも歌って欲しいって気持ちがあったんで。
ONE OK ROCKのTakaが語る新境地「プロダクションの緻密さと振り切った分かりやすさ」( Rolling Stone Japan より)
「Push Back」とQUEENの曲を合わせて聞くことで更に新たな発見もあるかもしれません。